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株式会社 なないろ 代表の井上 岳です。

「ひとつ屋根の下」のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。

「ここに来てよかった」と思っていただける施設を目指し、2013年に「ひとつ屋根の下 鳳」、 2015年に「ひとつ屋根の下 学園町」を開設しました。2020年には「ひとつ屋根の下 草部」を開設します。お陰さまで一歩一歩ですが、理想に近い施設になり、ご利用者に喜んでいただいていると自負しております。

理想の施設とは、小規模であり、ご利用者ととことん付き合うことにより、ご利用者一人ひとりに「ひとつ屋根の下」に来ていただき、役割・居場所を見つけて頂くことです。

人生の大先輩(じいちゃん・ばあちゃん)の生活を私達が管理したらおかしいと思うんです。

ご利用者・スタッフがみんななじみの関係になり「ふつうの生活」を送って頂くことが、私にとっての理想です。

介護との出会い(介護現場での気づき)

私が、介護事業に関わって13年が経ちました。

当初2年間は運営に携わることなく老人ホームの開発を行っていましたので、さまざまな介護施設の方々とお知り合いになる機会がありました。

お手伝いさせていただいた運営会社様が施設を開設し、ご入居者の生活が始まる中で、私自身様々な疑問を抱くようになりました。

例えば、お風呂に入浴できる日が週に2~3日しか無いために、30名~40名もの方々が1日に入浴していました。そのため時間節約で、ご入居者の方々が衣料の着脱など自分で出来ることまでスタッフが対応します。その結果、皆さんのできることを奪ってしまい、身体がだんだん動かなくなってしまうのです。

施設に入所した後、介護度が高くなったと耳にしたこともありました。

またある日、施設の訪問時に気づいたことがあります。それは施設内での会話の内容でした。

確かにご入居者とスタッフがコミュニケーションをとっているのですが、掃除・入浴・バイタル等の話、つまり業務に関する話が非常に多いことです。家庭に居る時のような、日常会話が少なく、とても違和感を感じました。多くの老人ホームは施設都合の運営を余儀なくされていると実感しました。

ご入居者の視点に立った運営

そんな中、老人ホームの立ち上げ・運営を任せていただける機会があり、ご入居者の方の視点に立った運営を志し、2009年3月に老人ホームを開設いたしました。従来にない施設を運営するためには、人こそが大切だと思っていました。開設当初、さまざまな形態の施設経験スタッフを多く採用したのも、「介護職に精通した人が集まれば理想の施設が運営できる」と考えていたからです。

ところが、始まってみると壁に突き当たりました。経験豊富な人ほど固定概念が強く、例えば「お風呂は週6日入浴できる日をつくり、ゆっくり入ってもらおう」「自由に外で散歩してもらおう」と提案しても、「できない」「危ない」と決めつけ拒否してしまうスタッフがいたのです。

確かに、新たなプランを導入するとスタッフの負担は増えます。それを承知で協力してもらうためには、「どのような施設にしたいのか」という思いを共有してもらう必要があると考えました。今まで、スタッフに私自身が施設の在り方、ベクトルを示すことができていなかったのです。

徹底したコミュニケーションでスタッフ全員で価値観を共有し、新たな取り組みを導入しやすい環境に

そこでビジョンをスタッフに浸透させる取り組みを始めました。

施設の思い(21項目)を作成し、個人面談を毎月1回、45分間実施。

日常業務の中での些細な疑問や施設の理想像までスタッフとコミュニケーションをとりました。その結果私が在籍した6年間、20名のスタッフが固定されるまで、前半の3年間で約70名のスタッフが辞めていったものの、後半の3年間は1名のスタッフも辞めることなく運営することができました。

新たなスタート(なぜお泊りデイサービス)

このような経験のもと「ひとつ屋根の下 鳳」を開設、「ひとつ屋根の下 学園町」には高齢者の生活を高めるためにシェアハウス「テラスハウス 学園町」を併設し、新しい試みをしました。

なぜお泊りデイサービス
認知症の人やいままでの生活を自分でできなくなった人と、共に心から安心して生活していくためには、お世話するのではなく、ご利用者の役割・居場所を見つけることができる環境を、私達が創らなければいけないと思ったからです。
また本気で介護するには、宿泊場所が必要でした。
昔の家庭のような雰囲気をつくることが大切なんです。
この思いが、お泊りデイサービスの始まりでした。

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